住宅とクルマ

こんにちは。

ここのところ保険屋さんらしく(笑)、火災保険の記事を書いてきましたが、今日は保険まわり「住宅」と「クルマ」について一席

昨年に引き続き今年も火災保険は「値上げ」されてしまいました…
ここ数年、台風や集中豪雨の被害が大きくて保険金支払いのおよそ45%を占めています。対して「火事」での保険金支払いは4%程度…
実質「火災保険」ではなく「災害保険」になってしまい、保険会社の支払いが多すぎて赤字になってしまっているのです。

また以前は最長36年の期間で契約出来た火災保険も、昨年から最長5年までしか契約出来なくなっています。
これも今後自然災害がどのように頻発していくのか?予測出来なくなってきたからと思われます。

更に建物の「築年数」によっても保険料で差がつきます。古くなればなるほど掛け金が高くなってしまうのです。

保険はデータと予測で出来ています。実際古い家のほうが築浅物件より被害額が大きい傾向にある訳です。
また「みんなでお金を出しあって被害者に還元する」という、保険の仕組みから考えると、その保険自体が赤字で存続できなくなってしまうのでは本末転倒。
ある程度の値上げは仕方ないと思います。
しかしそれをお客さんに伝える我々は心苦しいのです…

 

話は変わって、毎年4月から5月にかけて自動車を持っているひとに届く「自動車税納付書」。
この「自動車税」も「古いクルマは高くなる」のです。

具体的には、ガソリン車で新規登録(そのクルマが初めて登録された年月)から13年を過ぎると約39%、更に新規登録から18年を過ぎると約53%、自動車税が高くなってしまいます。

古いクルマは比較的燃費などの面で不利になってきます。なので税率を上げることで新しく燃費の良い(環境負荷の低い)クルマに乗り換えて頂こう、買い換え需要で経済も回る、という施策だとは理解出来ます。

外国の古いクルマの税金
では、日本以外の国では、自動車税まわりのことはどうなっているのでしょう?

アメリカ
1922年以降に製造されて車齢が25年以上の歴史的に興味深いモデルはヒストリカル・ビーグルとして登録出来るようになります。
登録すると、一年に一度登録を更新する時に必要なお金(日本の自動車税に似ている)が大きく減免される。
州によって違いがあるけど、年間たったの2ドルで済んだりするそうです。

ドイツ
製造されてから30年以上経ている、オリジナルの状態を保っており普通に乗車できるなどの条件を満たせば、Hナンバープレートを獲得。「工業文化遺産」として扱われます。
税金だけでなく、車検代も優遇されます。

フランス
新車に比べて古いクルマは、登録にかかる費用が安くなります。

イギリス
1973年以前に登録したクルマは免税!また乗る期間と乗らない期間、置き場所を申請する「SORN」という、乗る期間だけの税金を支払う制度があります。

ごく簡単にまとめてみました。
各国、共通しているのは環境に負荷をかけていると税金が高くなる傾向ですが、古いクルマは優遇されているということ。
古い文化やモノを大切にするといった傾向が見て取れます。

・では「住宅」は?
こちらも外国では築年数の古い物件のほうが高くなる(価値が上がる)傾向があるようです。
とは言えこれは日本は木造の住宅が適しており(以前の記事「木造住宅」参照)、「建て替え」が前提とも言える文化・お国柄なのです。
日本でも勿論、古くて歴史的な価値がある建物は大事にされます。また古民家といった価値観が出てきて、その価値に適う建物は高くなっていくのでしょう。

しかし一般的には災害が頻発する日本では、住宅が消耗したら改築・新築するという前提なので、建築年が古くなれば価値が下がる、耐久性も落ちてくるので火災保険も値上げざるを得ないのでしょう。

歴史の長い日本だからこそ、ここ数十年のことはさほど大事にしないのか?世界に冠たる自動車メーカー(バイクもそうだけど)を多数擁する日本がその文化を大切にしていないのは、ちょっと寂しいですよね。

昨今のインフレでなんでも価格が上がってるのはみなさん肌で感じていると思います。
損害保険も上昇傾向で「保険使ってないのに更新で値上がる…」ということが多いのです…
同時に賃金も上がっていけば良い循環となるのでしょうけど、もう少しかかりそうな気配。

そんな時こそ国がせめて税金まわりを少し軽くしても良いと思います。給付金もいいけど今までそんなに効果あったのかな?
減税のお話をすると更に長くなりそうなので今日はこの辺りで。

最後までお読みいただきありがとうございます!