火災保険③ 「火災保険でスーツを買い換えられる!?」

こんにちは。

ここのところ、本業である「保険」の記事を思い出したかのように書いている荒井です。
決してネタに詰まっている訳ではありません(笑)むしろ、「保険」ネタは沢山ありますし、そもそも本業のことを書かなかった今までがおかしかったのかもしれません(苦笑)

という訳で、火災保険シリーズ③は「家財保険」について一席。

・そもそも「家財保険」とは?
火災保険には対象となるモノで大きく「建物」「家財」に分けられます。

「建物」とはそのまんま「住宅」のことです。戸建て住宅ならその家、マンションなら自分が所有している部分のことで、
「建物火災保険」とはその所有物にかける保険です。
因みに「自宅屋根に取り付けた太陽光発電パネル」や「エアコン室外機」、「障子やふすま」といった建物に定着していると判断出来るモノも含まれます。

対して「家財」とは、その建物に収容されているモノのことです。家具や電化製品、食器類から洋服など、所謂「動かせる自分の財産」が対象となります。
※自動車や動植物、現金、プログラムのデータや仕事で使う什器・商品、建物から持ち出した家財などは対象になりません。

・どんなときに使えるの?
火事により洋服や家具が燃えてしまった場合に使えます。また昨日の記事で書いた「水災補償」に加入していれば、大雨で浸水したときに家財が汚れてしまったときなどに使えます。

ポイント!
例えば、自宅は水害の可能性がないので、水災の付いていない火災保険で建物と家財をひとつの保険でまとめて掛けているという契約をたまに見かけます。
その場合、家財が水災で被害を受けた場合に補償されません。また「水災」が付いていないと「破損・汚損など」にも対応出来ない場合が多いのです。(家財は「破損・汚損など」の事故が多い!)

解決方法は、
・建物火災保険は「水災無し」で契約
・家財火災保険は別の保険証券として「水災」「破損・汚損など」を担保して契約
と、別々の2つの火災保険に入ると良いと思います。

さてここからタイトル「火災保険でスーツを買い換えられる!?」の本題です。
家財保険は自宅から持ち出した場合には対象にならないと書きました。
しかしある特約を付けると、自宅から持ち出した場合でも対象になります。

・持ち出し家財特約(自宅外家財特約)など
特約の名前は保険会社によっても違いますが、家財保険は自宅内だけの補償ですが、自宅外に持ち出しても対象と出来る特約が「持ち出し家財特約」なのです。

例①:自宅でスーツを破いてしまった
わざとだったら当然補償されませんが、自宅内でスーツを引っかけて破れてしまった場合は「家財保険(破損・汚損つき)」で補償される可能性があります。

例②:外でスーツを破いてしまった。
大体スーツって外出する時に着ますよね。「持ち出し家財特約」を付けていなければ外出時の損害は補償されません。もちろんわざと壊してもダメです。
しかし「持ち出し家財特約」を付けていれば、補償される可能性があります!
※但し、30万円を超えるようなオーダーメイドのお高いスーツなどの場合、「明記物件」と言って契約時に申告しなければならない場合もあります。

・全額補償されるの?
家財保険の損害算定には大抵2種類あります。
①時価
購入時から経過年数で価値が下がっていきます。例えば10万円のスーツであれば5年もすると大体半額の5万円の価値と見做されます。
②新価
年数が経っても「同等のスーツを今買ったらいくらになる?」という基準で算定されます。

保険料が少し高くなりますが、勿論お勧めは「新価」です!

・いくら出るの?

損害認定額ー免責金額=保険金

損害認定額は保険会社が損害に応じて認定します。そこから免責金額を差し引きます。
免責金額とは所謂自己負担額のことで、契約時に設定します。免責金額が少ないほうが保険金は多く受け取れますが、保険料は高めとなります。

・保険がおりないケースは?
①「経年劣化」
これは家財保険に限らず損害保険全般に言えることですが、モノは使っていれば時間経過と共に劣化していきます。
経年劣化までは損害保険では補償されません。

②免責金額以下の場合
例えば免責金額が3万円で設定された契約での事故で、損害認定額が2万円の場合は保険が使えません。

ポイント
事業用建物火災保険によくある「20万円フランチャイズ」という形態があります。
この「20万円フランチャイズ」がついていると20万円以下の損害認定額の場合は保険金が出ません。但し20万円を超える場合は全額保険金が支払われるという特約です。
例:損害認定額18万円の場合→保険は出ません。
損害認定額21万円の場合→保険金は21万円出ます。(大違いですね)

③わざと
前述のように故意に破損させた損害には保険が使えません(当たり前ですね)

④持ち出し家財の対象外の製品
パソコンや携帯電話、釣り具や自転車などは対象外になりますのでご注意ください。

・実は使える「家財保険」
建物が火災に遭う確率は実は低く、台風被害などでの火災保険金請求が多いのが昨今です。
対して「家財保険」はあまり注目されない傾向があります。「家が残れば家財は買えばいい」なんて思ってる方が多いのですが…
一般的な40代夫婦でお子さまがふたりいる家庭の家財総額はおよそ1200万円から1700万円と言われています。
ご自宅の中を見回してみてください。家具・電化製品・調理器具・什器・洋服・寝具・バッグ・書籍などなど…積み上げればこのくらいの金額になります。
そして「持ち出し家財特約」を付けていると、「こんなときでも保険が使える!」ということが多いのです。

今回は「家財保険」について一般的なお話をしました。詳しいお話は保険募集人さんや代理店さんにお尋ねください。

最後までお読みいただきありがとうございます!