こんにちは。
日本沈没となってしまった場合に47都道府県で一番先に沈む千葉県に住んでいる荒井です。
因みに千葉県最高峰は南房総市にある「嶺岡愛宕山」で標高は408メートル。しかありません…
ところで「愛宕山」(あたごやま・あたごさん)って全国各地にあるんですね。千葉県だけでも10はあるようで全国ではっきり判りませんが120前後あるようです。
これは京都の「愛宕山」山頂に鎮座する「愛宕神社」を発祥とする「愛宕信仰」に由来する地名(山名)のようです。因みに「愛宕神社」は全国に約900もあるそうで「愛宕信仰」からお祀りする山を「愛宕山」と名付けて広がっていったのだと思います。
愛宕神社は火伏せ・防火に霊験のある神社とされて古くから愛宕神社の火除けのお札が台所などに貼られ、また三歳までにお参りすると「愛宕の三つ参り」と言われ一生火事に遭わないとされています。
古来より木造建築が発達してきた日本には「火事」が厄災として常に付きまとっていました。なので愛宕信仰も広がっていったのだと思います。
日本には世界最古の木造建築と言われる「法隆寺」があります。創建は607年と言われていますが既にその頃にはレンガ製造の技法も伝わってきています。
現在でも新築住宅の約8割は「木造」建築なのです。何故日本は木造建築住宅が多いのでしょうか?
1:材料が沢山ある
日本の国土はおよそ66%が森林です。日本全国何処にでも材料があるのです。
2:軽く加工がしやすい
石やレンガに比べれば軽いのは一目瞭然。そして例えば寸法が少し狂っていたとしても現場で加工がしやすいですね。また加工がしやすいということはデザインや間取りの変化に柔軟に対応出来るということですね。
3:地震に強い
軽いということは構造物自体の重量が軽くなるということです。地震が発生した場合に建物の上部の揺れが少なくなる傾向があります。
そして実は素材としても鉄やコンクリートに比べて弾力性や柔軟性があるので曲げは引っ張りに強いのです。
4:環境に適している
これが一番の要因だと思います。日本は昔から夏は高温多湿な環境です。人間は体温を下げる為に汗をかきます。しかし湿度が高いと汗が出にくくなります。木材は湿度を調節する性質があり湿度が下がれば汗をかきやすくなり結果快適に過ごせるようになります。また湿度が下がればカビやダニの発生も抑えられ結果衛生的な環境になります。
一方、冬には一転して寒く乾燥した季節になります。人間も乾燥しますがウイルスや細菌の活動が活発になります。そういった環境でも木材は優秀です。夏とは逆に木材に溜めた湿気を放出し湿度を調整してくれます。
また壁に使われる漆喰や和紙を使うふすま、障子なども同じように調湿の機能をします。逆に言うといかに湿度を調節できるかで日本の家屋は発達してきたのでしょう。
ここまでみても日本家屋は木造が今だに多いのは納得ですね。
そして環境的にも注目されています。それは「二酸化炭素を固定している」からです。
樹木は成長の過程で二酸化炭素を吸収します。それは燃やさない限り排出されません。なので建材として加工されても二酸化炭素はそのなかに固定されています。
一説によれば一般的な住宅一件で約14トン!も固定されていると言われています。
また平成22年に制定された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」は令和3年には脱炭素社会実現のために一部改訂され、公共施設の木材利用率を引き上げる取り組みがなされています。
省エネもそうですが、脱炭素社会って実は日本はかなり親和性が高い分野だと思います。
そんな木造建築ですがデメリットはあります。
1:火災に弱い
そりゃそうですよね、木は燃料になる位ですからよく燃えます。最近では壁に「石膏ボード」を張って耐火性を上げていたりしています。
2:シロアリに弱い
これも木材ならではの弱点。しかし最近の住宅は基礎がべた基礎と言われる全面をコンクリートで覆った基礎が主流です。シロアリは地面からの侵入が多いのでシロアリも減ってきてはいるようです。
3:材質の劣化
木材は種類にもよりますが耐用年数はおよそ30年から80年(ずいぶん幅がありますね)と言われています。強度も下がってきます。そのため修繕や建て替えなどが必要になってきます。
ひとは環境によって成長します。衣食住も環境に適しているのは当たり前なのでしょうね。
しかし火災保険では新築や耐火構造の住宅はともかくとして既設の住宅で「木造」が一番掛け金が高くなります。
まぁ燃えやすいのは確かにその通りですし、特に戦後沢山作られた住宅には耐火性も耐震性も低い住宅が多いのも事実です。(震災で被害に遭う住宅はこの時代に建てられた住宅が多いと聞きます)
しかしそれこそ「古民家」と言われる昔の住宅、地震を経験しても倒れなかった住宅まで同じくくりになってしまうのはどうかと思います。
勿論メンテナンスしているかどうかが大きいので、保険としてそこまで確認出来ないのは仕方ないと思いますが。
だからと言って木造住宅がすぐに減っていくとは考えにくいです。
最近話題の「3Dプリンター住宅」の認可が下りてくれば変わってくるのかもしれませんがその話はまた別に。
これだけ日本にマッチしている木造住宅。更なる進化に期待しつつ文化という意味でも大切にしていきたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。