こんにちは。
きょう7月5日は「ビキニスタイルの日」です。
1946年の今日にフランスのファッションデザイナーであるルイ・レアールさんが自身がデザインした女性用のセパレートスタイル(ツーピース)の水着を「ビキニ」と名付けて発表。
当時はまだこうしたファッションに寛容ではなかったフランスにセンセーションを巻き起こしたそうです。
さて、「ビキニ」と言えばもうひとつ浮かぶのが「ビキニ環礁」。
太平洋戦争時には日本委任統治領でしたが、敗戦とともにアメリカに割譲。
実は水着の「ビキニ」と「ビキニ環礁」は名前では関係があったのです。
「ビキニ環礁」と言えば原爆実験で有名です。時系列で説明すると、
1945年7月16日のトリニティ実験(史上初の核実験)
1945年8月6日 広島への原爆投下
1945年8月9日 長崎への原爆投下
1946年7月1日に「クロスロード作戦」の第一の核実験「エイブル実験」
つまり「エイブル実験」の1946年7月1日とは歴史上4回目原爆が爆発した日でした。
ルイ・レアールさんが「ビキニ」を発表する時に、直前に行われた「エイブル実験」になぞらえて「like the bomb, the bikini is small and devastating」(原爆みたいにビキニは小さくて破壊的だ)として発表した水着を「ビキニ」(Bikini)と名付けました。
「クロスロード作戦」では、1946年7月1日に行われた「エイブル実験」と、1946年7月25日に行われた「ベーカー実験」と2回核実験が行われています。
それぞれの実験には威力を知る目的で廃艦する予定の軍艦も多数使用されました。その中には旧日本海軍の戦艦「長門」、軽巡洋艦「酒匂」も含まれていました。
一回目の「エイブル実験」で「酒匂」は沈没してしまいましたが、「長門」は2回目の「ベーカー実験」にも持ちこたえたが4日後の7月29日に沈没。余談ですが当時の日本では「米艦が次々沈む中、最後まで持ちこたえた」「長門が名艦だった証拠」「日本の造艦技術の優秀性の証明」と喧伝されたようです。
それから8年後の1954年3月1日に同じビキニ環礁で「キャッスル作戦」と呼ばれる水爆実験が行われ、日本の漁船である「第五福竜丸」が被ばくしてしまいます。
広島、長崎、第五福竜丸と日本は世界で唯一の「核分裂爆発・核融合爆発」の両方ともの被害国となってしまいました。
核兵器にはもちろん大反対です。その実験が行われた場所である「ビキニ環礁」から命名された水着である「ビキニ」。
ルイ・レアールさんに悪意は無かったと思いますし、当時のしかも戦勝国であるフランスではそこまで気にするひとはいなかったかもしれませんが、現代では「不謹慎」と言われるかもしれません。
日本人として背景を知ると複雑な気持ちになります。
既に名前が通っている「ビキニ」を変えろというつもりは無いのですが、「ビキニ環礁から名前がとられている。そしてビキニ環礁は日本にとっても大きな意味を持っている」といった知識を持ち、以って被害に遭われたかたがたに哀悼の意を捧げたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございます!