食中毒防止の3原則

こんにちは。

今日6月10日は暦の上では「入梅」。そろそろ「梅雨」にはいりますよという日です。
因みに実際に梅雨に入ることを「梅雨入り」といいます。そのまんまですね(笑)

さてこの時期気を付けなければならないのが「食中毒」です。
患者数で言えば食中毒が一番多いのは9月なのです。理由は暑さで体力も落ちてきているので抵抗力が弱くなるからです。また冬は冬でウイルス(ノロなど)が活発になってきます。
とは言えこれから9月にかけての数か月間、食材が傷みやすい時期で、それに伴い「食中毒」も増えてきます。
ファミレスに勤務していたころにもさんざん教えられてきましたし注意してきました。そんな食中毒を防止するための3つの原則をお話します。

・そもそも何故食中毒になるのか?
食中毒にはいくつか種類があります。

1:ウイルス性食中毒
ノロウイルスやA型肝炎ウイルスなどが原因となります。
因みにウイルスは乾燥を好みますので夏場より冬場に増える傾向があります。

2:自然毒食中毒
ふぐ毒やカビ毒、毒キノコや貝の毒など。

3:細菌性食中毒
サルモネラ菌や腸管出血性大腸菌、カンピロバクターなどの細菌が原因。

4:化学性食中毒
合成洗剤や農薬、有害金属(カドミウムや水銀など)が原因。

5:その他の食中毒
寄生虫(アニサキス)アレルギー物質などによる。

2022年のデータでは発生件数別で
第一位 アニサキス(566件)
第二位 カンピロバクター(185件)
第三位 ノロウイルス(63件)
という結果となっています。

アニサキスは寄生虫、カンピロバクターは細菌、ノロウイルスはウイルスとそれぞれ違うカテゴリーなので対応も若干の差異はあるのですが、全てに有効な対応があります。それは「加熱」です。
例えばアニサキスは冷凍状態で24時間経てば死滅します。加熱でも70℃以上で死滅します。
カンピロバクターは60~65℃で1分加熱で死滅、ノロウイルスも85~90℃で90秒で死滅します。
つまり「加熱」は有効なのです。
しかしその「加熱」にも落とし穴があります…詳しくは「③殺す」でお伝えしますね。

食中毒防止3原則

①「付けない」
食中毒の原因となる菌やウイルス、化学物質を「付けない」ことが第一歩となります。
付いてしまったのか判らないこともありますし、そもそも目には見えません。なのでこの「付けない」というのは「洗う」といっても差し支えないと思います。
兎に角食材はよく「洗う」!そして重要なのが調理器具もよく「洗う」!特にまな板は一番食材に触れる調理器具であり色々な食材を切ります。使ったら洗う、まな板は漂白する。我が家では「ワイドハイター キッチン泡ハイター」を使っています。普通の漂白剤より手軽に使えるので便利です。メーカー値では2分で殺菌、5分で漂白となっていますが我が家では30分程度は泡ハイターかけてから放置しています。

②「増やさない」
菌やウイルスは目に見えません。なのでよく洗ったとしてもまた付着する可能性はあります。そして時間とともに増殖していきます。
菌やウイルスを増やさないというのは時間との戦いなので実はお買い物から始まっています。
・賞味期限を確認する
賞味期限の近いものはそれなりにリスクはあります。とは言えフードロスの観点からも「てまえどり(手前に陳列してある商品から購入する)ことが推奨されます。
賞味期限の確認は期限が過ぎていないかを確認するという意味です。
・肉や魚、冷凍食品は最後に買い物かごに入れる。
・肉や魚などドリップの出る食材はビニール袋に入れて他の食材と分ける。
・寄り道をしないでまっすぐ帰る。
・帰ったらすぐに冷蔵・冷凍庫にしまう。
お買い物の時点から気を付けましょう!

そして「増やさない」という点で重要なのが、
・温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに食べきる。ということ。当たり前なのですが残りものには「増える」要素が大きくなります。
そしてもうひとつ
・作った料理は長時間常温に放置しない。
・残った料理を冷蔵庫に保存する場合は中心部まで常温に戻った段階でしまう。
常温に放置すれば菌やウイルスが増えます。なので残った料理は冷蔵庫にしまうのが基本ですが、例えばカレーなど粘度の高い料理を鍋ごとしまう時には「中心部の温度」が下がるまで常温に置いておくことが重要です。
中心部が温かいまま冷蔵庫にしまうと中心部が蒸れてしまって却って「増やす」要因となってしまいます。
とは言え常温で冷ますのに忘れていてそのまま放置もよくありません。キッチンタイマーなどを使って時間を区切る、大き目のお皿に広げて早く冷ますなどの工夫をしてみましょう。

③「殺す」
字面見ると穏やかではないのですが(笑)、キチンと加熱殺菌するという意味です。
例えば上記3大食中毒件数で言えばアニサキスは70℃、カンピロバクターは60~65℃で1分、ノロウイルスは85~90℃で90秒、つまり最大の90℃で90秒加熱すれば問題ないという計算なのです。

しかしここで大きな落とし穴があります!それは「加熱ムラ」があるということです。
例えば昨夜の残りのカレーを鍋で温め直しているとします。鍋肌からふつふつと煮立ってきたとしても中心部の温度は90℃にはなりません。
「完全沸騰」させなければ意味がありません。「完全沸騰」とは「かき回してる最中から全体が沸騰している」状態のことです。それでも中心部は100℃にはならず精々95℃程度(効果は十分なのですが)にしかなりません。
料理は他の作業もしながらなのでつきっきりでお鍋をかき回すことは現実的ではないかもしれません。カレーなんて鍋の底が焦げやすいですしね。
でも、それでもかき回す。なるべくつきっきりでかき回す。これが結局のところ一番大切なんです!

料理のプロに言わせればもっと沢山の注意点があるかとも思います。
ご家庭では「付けない」「増やさない」「殺す」。この3つを気にして頂ければと思います。

食中毒には気を付けて、これから暑くなってくる時期を乗り切っていきましょう!

最後までお読み頂きありがとうございます!