こんにちは。
昨日は「ジャムの日」。昨日に続いてジャムのあれこれを書き記します。
1:そもそもジャムって?
砂糖が食材の糖分を抱え込みその腐敗を遅らせる性質を利用し果実や野菜などに砂糖や蜂蜜などを加えて加熱濃縮し保存可能にした食品のこと。
日本農業規格(JAS)によるジャム類の定義というものがあります。
・ジャム類
果実や野菜、花卉を砂糖類とともにゼリー状になるまで加熱したもの。またこれにゲル化剤、酸味料、香料などを加えたもの。
・ジャム
ジャム類のうち、マーマレードとゼリー以外のものをいう。
・マーマレード
柑橘類の果実を原料として果皮が認められるもの。
・ゼリー
果汁などのしぼり汁を原料としたもの
・プレサーブスタイル
原料のくだものの原形が残っているジャム類
などと決められています。
2:砂糖はどのくらい入ってる?
ジャムのとろみの秘密はペクチンにあります。これは原料の果物などに含まれています。
ペクチンがゼリー化(とろみがつく)するためには糖度が60から65%である必要があります。
元々保存食なのでヨーロッパなどでは糖度の高いジャムが昔から一般的です。
日本でもジャムが伝わったころは糖度の高いジャムが作られていましたが、昨今の健康志向などで糖度の少ないジャムも多くなってきました。糖度が低くゼリー化しにくい場合などにはペクチンを添加することもあります。
JASではジャム類として40%以上の糖度としていますが、国際食品規格(CODEX)では65%と規定されています。
ヨーロッパでは果物類の保存食として家庭で作り食べられてきました。作る過程で糖度が60~65%以上にならなければゼリー化しません。なのでヨーロッパは高糖度の傾向があります。
3:ジャム先進国
イギリスとフランスがジャム先進国と言われています。
・イギリス
イギリスには古くからイチゴが沢山自生していました。また15世紀にバスコ・ダ・ガマがインド周航からオレンジを持ち帰り沢山輸入することとなりました。
またイギリスは当時砂糖の貿易を独占していました。
イチゴジャムとオレンジマーマレードはイギリスを象徴するジャムです。
・フランス
フランスではコンフィチュール(果物の砂糖煮)が一般的です。当時の王様の晩餐会のデザートには必ずジャムがありました。
やはり当時の強国であるイギリスとフランスの影響が垣間見れますね。
・ロシアンティー
ロシアンティーは紅茶にジャムを入れるとされていますが、これは実は日本式ロシアンティーなんです。
本場のロシアンティーはジャムを口に含んで紅茶を飲む、またはジャムを味わってから紅茶を飲むというスタイルです。
考えれば本場のやり方のほうがジャムの甘さと紅茶の香りを楽しむには良い方法だと思います。
日本にあったロシア料理屋さんが、紅茶にジャムを添えて提供するだけでは日本人には判りにくいだろうと考え、紅茶にジャムを入れて溶かして飲むスタイルを提唱したとされています。
日本式だとジャムも紅茶も中途半端になってしまう気もします。
まだまだ沢山あるのですが、ジャムおじさんを自称するならこういった「トリビア」を仕入れておかなければなりませんね。
最後までお読み頂きありがとうございます!