ジャムおじさん② ジャムの保存のあれこれ

こんにちは。
ヨーグルトにジャムか黒糖黒ゴマで毎朝悩む荒井です。
ジャムも食べたいけど、黒糖を崩してすり黒ゴマかけても美味しいんですよね。妻に教えて貰ったんですけどね。

今回はジャムを保存するのに使う「ビン」と、「脱気」についての記事です。
ネットで検索すると色々と出てきて勉強になるのですが、
今一つ腑に落ちない「ビン逆さま冷却(倒立放冷)問題」についても触れます。

ジャムを作って何に入れるか?という、興味の無い人にすればどうでもいい話です(笑)
でもね、私は拘るのですよ。

1:容器
正直容器はなんでも良いんです。それこそお茶碗に入れてラップだけしても良いんです。
2、3日で食べきるのであればそれでも十分。気になる場合はアルコールで拭いて除菌すればOK。
試したことは無いけど、砂糖分が多ければ夏場は無理だとしてもこの時期(11月)であれば常温でもいけるかもしれません。
ただジャムとは元々「保存食」。なのである程度保存を前提にしたお話です。
荒井はガラス瓶を使っています。おしゃれに密閉できるような容器でもそれこそプラスチック容器でも良いのですが、
荒井としては煮沸消毒はマストです。なのでガラス瓶でふたが金属製のものを使います。
100均やホームセンターにも売ってますよね?それで十分です。

ここで最初の問題。それはキャップ(ふた)の形状です。


左がツイストキャップ、右がスクリューキャップです。

どちらでも良いのですが、個人的には「ツイストキャップ」をお勧めします。
理由は「脱気がしやすいから」です。脱気については後述します。
「ツイストキャップ」のビンはそれこそ市販のジャムなどにも使われています。
洗って再利用するのは問題無いのですが、注意点が2つ
ひとつは、キャップ内側のゴムが劣化していないこと。
繰り返し使うとキャップ内側のゴムがペタペタになって密閉が悪くなってきます。体感5、6回使うと再利用は難しいかと思います。
ふたつめは、煮沸消毒の時間を短くする(2、3分)するということ。
金属製のキャップですから経年劣化で錆びてきます。ビンは5分程度の煮沸をお勧めしますがキャップは2、3分の煮沸で十分です。


一緒に煮沸してますが、キャップを先に取り出します。

2:殺菌方法
容器とキャップをアルコールで拭きあげても殺菌は出来ると思います。それだけで十分かもしれません。
しかし保存を考えれば、やはり煮沸消毒をお勧めします。
方法は簡単。鍋にビンがかぶるまで水を入れて火にかける。沸騰して来たらキャップは2、3分で取り出す。
ビンは5分位で取り出します。取り出したらキッチンペーパーなどの上に逆さまにして水気を切る。だけです。
ひとつポイントとしては、ジャムをビンに移し替える直前に煮沸を終えるということです。
ビンが冷めるとジャムの品温も冷めるのでこれまた後述する「脱気」に少し時間が掛かってしまうことになります。
もうひとつポイントは水からビンを入れて火にかけることです。
沸騰したお湯にビンを入れると温度差でビンが割れることがありますので水から入れて沸騰させましょう。

3:充填
ビンにジャムを入れる時レードル(おたま)で直接入れてもいいのですが、漏斗(じょうご)を使った方がいいです。(レードルも漏斗もアルコールなどで消毒して使う)
こぼれたりしたらべたつくし、勿体ないですよね。
因みに漏斗(じょうご)の出る口はビンの口径より小さいのは当たり前ですが、あまり細いと固形物の多いジャムは詰まります。

同じ100均でもセリアの漏斗が口広くてお勧めです。

4:脱気
いよいよ先ほどから出てくる「脱気」の行程です。
自家消費で早めに食べるのであれば脱気は必要ないかもしれません。
ただ量が多い場合や保存食という意味では脱気することをお勧めします(荒井は全て脱気しています)

方法は
①ビンにジャムを口ギリギリまで詰める(口切満タンにせず2、3ミリ程度まで)
②キャップを締める(再度ビンのまま煮沸するのでキチンと締める)
③煮沸に使っていた鍋でジャムの入ったビンごと煮沸する(およそ10分程度)
※ビンとジャムの品温が下がっていたら15分程度煮沸する)
④いよいよ脱気。鍋からビンを取り出して(トングなどを使うと良い)一瞬だけキャップを開けてすぐ(きつく)締める。
(とっても熱いので鍋掴みとかふきんとか使ってください)
この時に「シュッ」と音がすれば中の膨張した空気が逃げた証拠。音がしないこともあるけどね…
⑤再度ビンごと煮沸する(20分位)
⑥煮沸が終わったら常温にて放冷する(大体一晩程度かな)

ポイントは④の行程です、理屈としてはビンの中に僅かにある空気を煮沸することにより膨張させて、一瞬で逃がす。
そしてすぐにキャップを締める(すぐ締めないと冷気が入ってしまい脱気は失敗)ことです。
脱気が成功したかどうかは、冷めたジャムビンのキャップがへこんでいるか、また開ける時に「ポン!」と音がしてへこんだキャップが元に戻れば成功です!
(冷めてから、それも開ける時に成功かどうかが判るのもなんですけどね…)
スクリューキャップでも脱気は出来るのですが、どうしても回す回数(空気が逃げるまで)がツイストキャップよりかかるので
脱気はしにくいし失敗しやすいです。なのでツイストキャップをお勧めします。

写真はスクリューキャップですね。慣れればスクリューキャップでも脱気出来ますよ。

あとは美味しくいただくだけなのですが、最後にもう一つ、「ビン逆さま問題」について。
上記行程⑥の常温で放冷する時に、ビンを逆さまにして冷ますと説明しているところも多いです。
これは「倒立放冷法」と言います(名前はカッコいいけど、そのまんまの名前だな 笑)

倒立放冷する理由としてよく語られるのが、
・逆さまにすることにより、ビンの中に残った空気が殺菌される。
→どういう理屈なのかちょっと判らない。
・熱伝導率の高いキャップ(つまり冷めやすい)に熱いジャムが触れることによりキャップの殺菌になる。
→確かに。だけどすでに十分殺菌しているはず。
・ビンとキャップの僅かな隙間にジャムが入り込み冷えて固まることによってより密閉出来る。
→昔の精度の低いビンならまだしも今のビンはキチンと密閉出来るはず。

ということで今一つ必要性を感じないので私は基本的には「倒立放冷法」はしません。
まぁひっくり返して冷ますだけだし、ビンの気密に問題ないのであればやっても何も問題はありません。
現に私もたまに気が向くとひっくり返したりします(笑)
これはそんなに問題にしなくても(ひっくり返してもしなくても)良いと私は思います。
ただ今後も勉強はしていきますけどね。

さて、思いのほか長い記事になってしまいましたが、
みなさんの楽しいジャムライフ(笑)の参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます!