ウルフムーン

こんにちは。

昨日は満月でしたね。
一昨日辺りから月あかりが綺麗で夜でもまわりがはっきり見えました。少し寒いけど月光浴もしてみたりしました。気持ちいいのでお勧めです!

1月の満月は英語圏では「ウルフムーン」と言われています。
これはネイティブアメリカンや中世のヨーロッパの人々はこの真冬の時期に飢えで遠吠えする狼にちなんで1月の満月を「ウルフムーン」と名付けたそうです。

日本で狼は主に本州に生息していた「ニホンオオカミ」や北海道や樺太に生息していた「エゾオオカミ」両方ともに明治時代に残念ながら絶滅してしまいました。
二ホンオオカミ、エゾオオカミとそれぞれ少し違う種類なのですが、ここでは主に「ニホンオオカミ」でお話します。

日本は国土の67%、3分の2が森林です。そこには多様な生態系があり、ニホンオオカミはその生態系の頂点に君臨していました。
ニホンザルやイノシシ、シカなどを捕食していましたがしばしば人里にも来て家畜やときには人間を襲うこともあったと言います。
しかし一部では食害をもたらす動物を狩るということで神聖視されて「犬神」「大口の真神」とも呼ばれていました。
少し話は逸れますし嫌なことを言うかもしれませんが、ニホンオオカミだけでなくクマも神聖視されていて見た目だけでなくおそらく経験的に捕食者として森林の生態系の一部であり結果ひとにめぐみをもたらす。
時には「神の怒り」として家畜や人間にも危害を加える。以前の記事にも通じるところがありますが、そこには人間の都合などないのです。

絶滅した原因ははっきりしないそうで狂犬病などの疾病、人間の狩猟による排除、などと言われていますがおそらく両方なのでしょう。
絶滅後、捕食されていたシカやイノシシ、ニホンザルが大繁殖して作物被害が大きくなってしまう。近年は食害をする動物を狩る猟師の減少もあって作物被害は更に拡大してしまっている。

私の住んでいる千葉県では廃園となった某アイランドで飼育していたキョンが逃げ出し、2022年ではおよそ72,000頭(!)も生息していると言われています。
キョンは小型でシカににた生物。農作物はもとより住宅のガーデニングまで食害にあってるとのこと。
千葉県は本州唯一の「クマなし県」。本州に生息しているツキノワグマが千葉県にはいないとされています。クマは雑食性ですがキョンの天敵でもあります。キョンの大繁殖の一因にクマなし県ゆえにとも言えます。
この事例からも森林の生態系の頂点の存在はかなり重要なのかもしれません。

・オオカミ再導入

頂点捕食者が居なくなって森林の生態系バランスが崩れたのは日本だけでなく、アメリカも同様のようです。
世界で初めて国立公園になったことで有名なイエローストーン国立公園では密猟などで絶滅してしまったオオカミをとなりのカナダから再導入して生態系の復活を果たしたそうです。
勿論反対もあったり途中で再導入したオオカミが減少してしまったりと色々とあったようですが結果的にはオオカミの再導入に成功したとのことです。

日本も前述のように頂点捕食者の減少、狩猟者の減少・高齢化により狩猟圧が低下。結果獣害が増加したのでオオカミを再導入しよう!という働きかけがあります。
勿論反対もありますし、個人的にはまだまだ盛り上がってるとは言えないように見えます。

この問題、難しいですね。ただ私個人的には「どちらかというと反対」です。
オオカミの絶滅は人間の都合ばかりではないと思いますし、居なくなってしまったから再度導入しようというのは完全に人間の都合だと思います。
アメリカで上手くいったから日本で上手くいくとは限りません。人間も襲われる可能性もありますし。
もっと言うと現状は「起こったこと」なのでそれをひとの手で変えようというのは如何なものかと思います。その理屈で言うとひとの手で変えたことも「起こったこと」なのですが、それをひとは受け入れることが出来るのでしょうか?

しかし単に反対しても「では現状をどうすればいいのか?」と問われれば私は答えを持っていません。
なので「どちらかというと」反対なのです。

問題提起しておいて結論が無いのは仕方ないと思いますが、みなさんはどう思われますか?

最後までお読みいただきありがとうございます。