恵方巻問題

こんにちは。

2月4日は二十四節気では立春。暦の上では春が始るということになります。

節分は立春の前日ということで昨日でした。読んで字のごとく「季節を分ける」日なので節分は年に4回あります。立春前日の節分がメインなのはこの時期に体調を崩しやすいということがあると思います。

節分と言えば「豆まき」と「恵方巻」。スーパーの総菜売り場には「恵方巻」が並んでいて沢山のひとたちが買い求めていました。
我が家もそのひとりだったのですが、子どもの頃に「恵方巻」ってあまり聞かなかったですよね?
「恵方巻」の起源には諸説あるようですが、全国的に広まったのはセブンイレブンのマーケティングが大きいと言われています。

だけど他の業界も取り組んでいたので少しご紹介。
・1930年代に寿司屋の組合がチラシ作っていた。
・1970年代には海苔・厚焼きの組合が同じくチラシを作っていた。
・1983年にファミリーマートが大阪と兵庫で販売。
・1980年代に小僧寿しチェーンが「縁起巻」としてキャンペーン
・1989年にセブンイレブンが広島県の一部店舗で取扱開始。1998年に全国展開
・ジャスコ(イオン)が1992年に全国展開

当時も今も店舗数最大のセブンイレブンが取り扱うと認知度も一気に全国区になるということでしょう。

・廃棄問題
2022年、恵方巻など「節分のお寿司」による経済効果は約649億円!しかもたった一日でです!因みに恵方巻の売上は約300億円と断トツです。
今も当時もコンビニやスーパーなどでは陳列してあるからこそ売れる。商品が無いことによって売れるはずの機会が無くなってしまう(機会損失)ぐらいなら廃棄もやむなし。という空気でした。
2017年に問題化してきたコンビニ従業員やアルバイトさんによる販売ノルマや自爆営業などとあわせて恵方巻の廃棄への批判が起きました。
今では予約販売に力を入れていると聞きますが、それでも廃棄は一定数あり、上記2022年では廃棄による損失額はおよそ12億円になるそうです。

今年(昨日)私もスーパーで売ってる総菜の恵方巻を食べたので偉そうなことは言えません。
だけどかれこれ15年ほど前に某大手コンビニで店長をやっていた時、「毎日の廃棄って経営的には何とかプラスになっているとしてもまだ食べられるものだし、コンビニのシステムってどうなんだろう?」と疑問に思っていました。
だって純粋にもったいないですよね?勿論毎日の廃棄はなるべく減らすよう努力はしていました。経営していた会社の系列店に持って行ったりもしていました。
だけど「食べ物(食べられるもの)を捨てる」というのはどうにも抵抗がありました。

ファミリーレストランにいる時にも廃棄問題はありました。ファミレスは例えば解凍してしまった食材が期限内で消費出来なかったなど商品になる前の状態で、また出来るだけ従業員のまかないめしにしたり安く買ってもらったりと工夫の余地は大きいのです。

でもコンビニエンスストアは完成品でしかもおむすびやお弁当などの商品は期限が切れるとレジを通すことは出来なくなってしまいます。
従業員にとっても安価で売ったりもしましたが(時効ですよね)、さばき切れる量ではありません。期限が近くなっても安売りすら出来ませんでした。
フランチャイジー(加盟店)として選択肢が全くなかったのです。
冗談ですが「どこでもドアがあれば食に困っているひとに配れるか(笑)」なんて考えていました。

確かに買う側も「あるから買う」ってのは大きいと思います。売る側も「あれば売れた」「無くて断るくらいなら多めに…」と考えるのも仕方ないかもしれません。

「予約販売」「売り切れ御免」で良いと思います。売り切れてしまったことによる機会損失=売上減は今後の経営に生かして行けばいいと思います。
つまり今まで「如何に実販売数に近づける発注」という考え方から「如何に売り切るマネジメントとマーケティング」という発想に切り替えていかなければと思います。

素人の私が言うより既に取り組んでいることだと思いますが、我々消費者もそういう視点で見るべきだと思います。
売り切れに「なんで置いてないんだよ」というくらいならその怒りのエネルギーで別のお店に探しに行けばいいだけだし、そもそも「売り切れなら仕方ない」と思って別の選択をすればいいだけだと思います。

政治も消費も我々一般市民が主役です。我々の選択で変わってくるのです。
元々「立春」という題名の記事でしたが、今回も全く違う方向に行ってしまいました(笑)

最後までお読み頂きありがとうございます。